2012/07/13

注文の多い設計屋

間取り作成のご依頼をいただきましたS様
ご希望の中に
リビング階段にしないこと
・和室4.5帖を設けること
と言う項目が有りました

小規模住宅ではこの二つを取り入れると
リビングやダイニングなどの空間が貧弱になる事が多くなります

リビング階段にしないと
玄関⇔階段、居間⇔階段の廊下が発生することが多く
その分リビングなどにしわ寄せが来ます

住まい手が和室4.5帖と言ってしまうと
設計者は条件反射的に縦横1.5間の正方形の4.5帖をイメージし
それに1間の押入れをつけて、居間とはふすまで仕切って、、、
と考えてしまいます
この仕切られてしまった和室はリビング・ダイニングの
日常生活の空間とは切り離されて貧弱な生活空間となります

そこで「注文の多い設計屋」は
この二つの理由を尋ねます

すると
リビング階段は暖房効率のため
和室4.5帖は来客2,3人が泊まるためとのこと

リビング階段がいけないのではなく
4.5帖の和室が欲しいのでもなく

暖房効率の落ちない階段と
2,3人の宿泊が可能な部屋がほしいと言うことでした

であればと
居間⇔ホール⇔階段という形で廊下を極小にした階段と
3帖+板の間+1間の押入れを引き込みふすまで仕切れるようにした
奥行きの狭い畳コーナーを提案させていただきました

リビング・ダイニングの面積が大きく取れ
ふすまを開いておけば畳コーナーも生活空間の一部として
広がりを感じることが出来ます

セカンドオピニオンでしたが
元の設計とは大きくイメージが変わって
大変喜んでいただけました

ポイントは
本当に欲しいものは何かを知ること
そこに気づいてもらうこと
ですね
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コメント

非公開コメント

なるほど…
よき建築士は、よき営業マンでもあるなあ
と思いました。
さすがです。

ニーチェ様
コメント有難うございます

宮脇檀(みやわきまゆみ)と言う住宅作家の本には
気の聞いた建築士はホストよりも奥さんを云々という文章が有りました

ホストはやったことが無いのですがなんとなく判る気もします
ともあれ、建築士にしろ営業にしろホストにしろ介護にしろ仕事と言うのは
相手の心を理解するところにポイントが有るように思えます

それがうまく行くとお互いがよろこべる仕事が出来るのだと思います

依頼主さんの言葉を表面的にのみ捉えていては、こういうお仕事はできないのですね。
何の業種であれ、多くの依頼主さんはプロではないので、
思い込みの部分も少なくないですものね。

きっとその方も、間取さんの問いかけに初めて
ご自分が求めているものを発見されて晴れ晴れとした気持ちに
なったのではないかと想像しました。
そして私も、思わずにんまり・・・の気分です(*^^)v

ますかっと様
コメント有難うございます

>依頼主さんの言葉を表面的にのみ捉えていては
>こういうお仕事はできないのですね。

おっしゃるとおりですね
医師に向かって「風邪なので抗生剤とうがい薬を出してください」
「はい、判りましたついでに胃薬も出しておきますか?」
なんて変ですよね
時々そんな風に聞こえることが有るんです
家族の大切な人生の器を作るのに
「個室3室とLDKと4.5帖でお願いします」
「はいそれでやっつけときましょう」
と言うようなものじゃないでしょう

家族が皆そろって楽しく食事できるようにだとか
夫婦の静かな語らいの時がもてるようにだとか
子供が部屋に篭らないようにだとか、、、
沢山の自分らしい希望が有って当たり前だと思います

そこをお聞きすると間取りが生き生きしてきます
住まい手の生活の仕方にふさわしい家になると思います