2012/12/07

三寸勾配の屋根

お客様との打ち合わせで
「三寸勾配?何のことか理解できません」
と言うお話。

それは判りませんよね、、、と言うことで
今回は三寸勾配の屋根について。


三寸勾配というのは1尺(10寸)行って3寸上がる勾配のこと。
図で示すと下のようになります。
三寸勾配

屋根の形状としては比較的緩やかな勾配です。
これだけでは良く判りませんので実際の建物の写真で、、、

「三寸勾配屋根」で検索しますと、、、有りました!
素敵な建物です
画像 526_320

この作品は川口通正氏の木竈 (もくそう) と言う作品で,
軽井沢 「緑の景観賞」 最優秀賞受賞を受賞したものです。
深い軒を形作る伸びやかなラインが魅力的です。
しっかりとした存在感のある破風がシルエットを強調しています。
草の上に浮いたようなコンクリートのデッキと
三寸勾配の切り妻屋根によって形作られた空間は
室内やテラスの生活をしっとりと優しく包み込む様です。

穏やかでゆったりした生活を意図したこの建物には
屋根の勾配はこれより緩くてもきつくてもいけません
最もふさわしい形がこの姿です。

別の写真も見ることができますので川口通正氏のサイトをご覧ください。
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2012/12/16

間取り作りと設計

間取り図を作ると言うことと設計するということは
その責任の重さは設計者にとって次元の違うレベルです。

薬にたとえれば
ドラッグストアーで普通の棚に載っている売薬を、パートのレジ係が売っているのと
医師免許を持っている医者が処方箋を書いて処方する
そのくらいの差が有るのです。

売薬の場合は販売したことによって責任を取らされる事はありません
しかし医師が間違った処方をして医療事故になった場合責任が追及されます。

間取り図を作って住まい手に提示するのは何の資格も要りません
しかし設計図を描いてそこに建築士の名前と番号を書いて印鑑を押すと言う行為は
その設計に対して資格者としての責任を負うことになるのです。

フリープランニングでただで間取り図を作るから
設計もその延長でと言うことにはなりません
建築士としての責任を負うか負わないという大きな隔たりがあるのです。


設計を依頼され請け負う場合、その責任を取る覚悟で望まなければならないのです。


国交省のガイドラインでは、
設計・監理に掛かる時間数を建物の種別ごと規模(金額)ごとに
どれくらいの人・日が掛かるか統計を取って
それに人件費をかけて、その1.5倍を経費として計上する。
そのような算出の仕方で妥当な設計料を算出しています。

詳しくは国交省の資料を見ていただきたいのですが
住宅の場合の設計・監理料は大まかに言って工事費の1割というのを
めやすに出来ます。

総工事費2000万円の場合200万円と言う金額になります。
2000万円の家を作るのに200万円なんて出せないとお思いでしょうけれど
実際に責任をもって創造的にやってみるとその位の費用が掛かってしまいます。

しかし実際にはそのように設計料をいただけることはありませんので
出来るだけ簡易に設計をするようになってしまっているのが現実です。

また真面目な設計事務所の所員は、安月給で超長時間労働を強いられることになります。

日本の住宅がみすぼらしく薄っぺらなものが多い理由のひとつだと思います。
2012/12/30

建物の向き

今年も明日1日を残すだけになりました。
忙しい中おこしいただきまして有難うございます。


温暖な九十九里地方でもこの冬は例年に無い寒さです。
庭の水道が凍って出なかったのは
昨シーズンは1月の下旬から2月の上旬にかけての数回でした。
今期は12月初旬から既に何回か凍結しています。

この季節になると日差しの暖かさがとてもありがたく感じます。
関東地方では冬場には晴天の日が多く
外は寒くても日の当たっている部屋は暖房が要らない日が多いです。

部屋は南に面したい
生活感覚としては当たり前のことだと思いますが
間取りを考える中でうっかりする方も多いようです。



「ソーラー・ハウス」と言う言い方で
太陽の光や熱を利用することを重視して
住宅を考えることがあります。

集熱装置を設けて積極的に集熱しようという考え方と
室内に太陽熱を取り入れて逃がさないようにする考え方
が有ります。
前者をアクティブソーラー、後者をパッシブソーラーと
呼んでいます。

日本の住宅は昔から南に面して居室を設けて
冬の日差しを入れ
軒を長くして夏の日差しを避ける様にして
日射に関して注意深く考えられています。
これはパッシブソーラーの考えで作られていた
とも言えます。



住宅の設計で太陽熱をどのように取り入れるか
設計者の価値観で重要視する度合いが違ってきます。

健康的で明るい住宅は
家族の有り方にも影響すると考えられますので
大切にしたい要素だと考えています。


これから冬本番です健康に気をつけて
良いお年をお迎えください。