2011/12/09

アイストップ

アイストップとは
「空間計画の中で人の視線を受け止めるために設ける
シンボルツリー、オブジェなどのこと」
を言います

最近の話題では露地の先にスカイツリーが見える
そんなシーンを目にすることがあります

このような時スカイツリーの事を
アイストップといいます

無為に雑多なものを眺めさせるのではなく
意図した景色をそこに見せることによって
住まい手の経験をデザインして行こうとするもの
ともいえます

桂離宮住吉の松


桂離宮の住吉の松」が好例でしょうか
御幸門から入ってすぐのところに有って
庭全体を見せないで好奇心を掻き立てるような
働きをしています

写真は
桂離宮の探訪
http://kanawa.biz/
からお借りしました
2011/12/23

動線

最近「動線」という言葉が
豊かさや安らぎという住まいの根源的なニーズを
差し置いて最も価値のあるもののように大手を振って歩いている
ような気がします

「導線」と記述しているものも見ますが正しくは「動線」です

「動線」は建築計画学の授業の初期に学ぶ言葉です
人の動きを平面上の線で現し長いとか短いとか
交差しているとか混乱しているとか
プランニングをチェックするのに利用します

まとめると「建築を計画するときのツールとして動線に混乱や無駄が
ないようにすることによって建築全体の整合性を高めようとするものです」
と言うことに成ります

それが短いことが何をおいても重要であると言うようなことはなく
またそれ自体には何の価値もなく
重要なのは動線によって繋がれる空間と全体です

更にいえば動線を長くしたりあえて無駄に曲げたりすることによって
目的の空間へ至るプロセスを演出したりして
建築を豊かに作り上げて行くことができます

下のの写真は銀閣寺の生垣です
高さ5mで長さ50mだそうです
椿や樫や茶の木などを混植してあるそうです

ginkaku21.jpg

この長い長い通路を通って左へ曲がると中門
中門から更に唐門を通ってやっと本堂へ

この間に期待感をもりあげて
たどり着いた時の喜びが
より大きく成るように演出されているわけです

ginkaku31.jpg

もちろん住宅ではこのような大げさなことは
しませんが演出の方法として多用されています

アイストップと同様に
動線は目的ではなく豊かな建築を作り出すためのツールとお考えください

上記の写真は
「TOM'S Slow Life」からお借りしました
豊富な写真と奥深いコメントがありますので
是非ご覧ください
http://www7a.biglobe.ne.jp/~tomlife/index.html

2012/03/29

窓と壁

住まいは明るく爽やかであってほしい
誰もが考えることです

間取り作りでは
ついつい出来るだけ沢山の窓を付けたくなります

しかし長い間設計をやっていると
窓は沢山あればよいというものではないことに気がつきます

日本中の多くの地方では
南に大きな開口をとるようにします
これは当たり前ですね
南の窓は太陽高度の低い冬には部屋の奥まで日が差し込み暖かく
太陽高度の高い夏には余り直射日光は差し込みません
庇をつければほとんどさえぎることが出来ます

けれども西や北の窓は夏の暑い夕方に西日が差して
涼しい風が入るどころか部屋を蒸し風呂のように熱します
こんな窓はいらないと言いたくなりますね
その通りです最低限の採光を確保したら後は
通風に必要なだけの開口をあければ良いと言えます

またTVと同じ面に強い光があるとTVが見づらいとか
窓を付けても隣家の壁が迫っていると効果が少ないとか
さまざまな要素を頭に入れて窓の位置や大きさを
検討しなければならないと思います


次は壁についてです
壁が少ない家は落ち着かない感じがします
しっかりした壁があると守られている様に感じます
ゴルゴ13はいつも壁を背にして後ろから
攻撃されないようにしています
同じ心理だと思います

壁面をよりどころにして家具や花や額などを置くと落ち着きます
開口の前では透けて見える効果を出したいとき以外は
後ろからの光になって美しくありません

南に大きな開口を設けたら反対側に小さな開口を設けて風の流れを作ります
寝室も居間も本来であれば壁の中央ではなく
奥の壁に近いところに1個だけ取り付けると
しっかりした壁のあるお洒落なインテリアが楽しめると思います

予算の関係でコストダウンしたい場合には
窓を減らすことを考えてみてください
建築工事費の中で窓に掛かる費用は比率が高いので
コストダウンの効果が大きいものです
2012/04/01

住まいに生彩、ピクチャーウィンド

窓の話その2です
前回の窓の話は機能面に限ったドライな話になってしまいました

そんなもんじゃないでしょう
という言葉が返ってきそうですね
その通りです

間取りの中で窓を考えるときに
機能的な側面のほかに
生活を豊かにする美しさと言う側面も
重要です

リンクを貼らせていただいている
衣食住を楽しむのmihoさんのお宅の窓が
好例です
ピクチャーウィンド
お洒落ですね
窓自体が一枚の絵のようですね
このように景色を切り取って一枚の絵のように見せる
窓枠が額縁のような窓を
ピクチャーウィンドと言います

「衣食住を楽しむ」というブログ名の通り
日々生きるその衣食住自体が楽しみになること
すごいことですね
生きていること自体が楽しいんです
こんなすばらしいことはないと思います

その「住」住まいを楽しむ
その楽しみ方のひとつがこの窓です
窓の向こうの木が
春は新芽が芽吹き
夏は深い緑に
秋は紅葉となり
冬には枝に雪が積もり
風に揺れたり、雨に濡れたり。小鳥が来たり

そんな四季折々の自然の美しさを楽しめるのです
それも漠然と外が見えるという窓ではなくて
写真家が景色の一部を切り取って芸術に高めるように
エッセンスだけを集約してみせると言うことです

あなたの住まいのどこかに「はっ」とするような窓を組みこめたら
どれほど生活が豊かになるか

窓はどんな家にも付いています
そこに意匠を凝らすとこんな豊かさが生み出せます
何も考えずに開けた窓とコストは変わりません

ぜひ考えたい窓の話でした
2012/04/07

~ネバならぬの否定

間取りのコツについて書いてみたいと思います

間取り図作成ソフトが出来て
初めての人でも間取り図を簡単に作ることが出来るようになりました

必要な部屋を並べて行くと間取りが出来上がり
外観図やインテリアのチェックまでできます

こうして出来上がった間取りがあなたの生活にピッタリのもので有ればよいのですが
どこか不十分な気がするけれどもどういじっていいかわからない
と言うことが出てきます

そんなときのお勧めテクニックは

部屋の大きさや繋がりに関して、こうでなければならない
という固まった考え方に、本当に?もしそうで無ければ?逆に考えれば?
と言う疑問を投げかけて見ることです

例えば
お客様が泊まる客間が必要だと考えているものを
本当にいるかどうか?なくしてみたら?など仮定してみて
実際の利用頻度などから
「年に2、3回なら居間のソファで良いや」と言うことになると
一部屋少なくなります。住宅の設計で1部屋少なくなると
まったく違ったものになって、作りやすくなります。

このテクニックを「~ネバならぬの否定」としておきます