2017/03/06

夏涼しく冬暖かい家 その1 ー冬暖かい家ー

こんにちは間取りづくり、家づくりボランティアの間取作造です。

間取り作りのリクエストに「夏涼しく冬暖かい家」というのがあります。
冷暖房設備や断熱技術が進んでも建物の基本性能でそれが確保できていることが理想です。
日照、風通しといった自然環境を有効利用することが必要です。

まずは今の時期(3月3日)に体感できる「冬暖かい家」から考えましょう。

我が家は晴れた日であれば日中の暖房は要りません。
太平洋側なので冬の間は晴れの日が多いので助かります。

このように日当たりによって暖を採ることをダイレクトゲイン(直接蓄熱)と言います。
南側に窓が有ると温かい、当たり前ですね。
東や西や北の窓だとどうなるのか
どの位の差があるのか目で見て分かるようにできないか考えてみました。

日照2外観 
上のような正方形で東西南北の各面に掃き出し窓のある家で考えてみます。
敷地は東京で設定しています。
w82
冬至の朝、日の出は6時55分です。
8時ようやく東の窓と南の窓から日が差してきます。
w102
10時になると南側の窓から部屋の奥まで届く日照が得られます。
東側の窓からの光は少なくなります。
w122
12時になると南側の窓からだけの日照になります。
w142
14時になると西側の窓からも日照が得られます。
w162
16時にも西側と南側からの日照がありますが
16時31分に日の入りなので弱々しい日照です。

「冬暖かく過ごすためには南側の窓が重要」何となく分かっていたと思いますが
よりはっきりお分かり頂けましたか?


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2017/03/08

夏涼しく冬暖かい家 その2 ー夏涼しい家ー

こんにちは間取りづくり、家づくりボランティアの間取作造です。

夏涼しく冬暖かい家」その2は夏涼しい家です。
「冬暖かく」は日照を確保する事が大事です。
「夏涼しく」は逆に日照を遮ることが重要です。当たり前ですね。

「冬暖かく」で使った例題の建物で検討してみましょう。
日照2外観 
上のような正方形で東西南北の各面に掃き出し窓のある家で考えてみます。
ここでは750mmの軒が出ていることがポイントです。

s6
東京の夏至の日の出は4時31分です。
上の図は6時の日照です。
6時の時点ですでに東の窓から部屋の奥まで入ってきます。
暑そうですね。

s8
8時の日照です。

s10
10時に軒が機能して部屋の中への日差しは少なくなります。

s12
12時の日照です。
部屋の中には日差しが入っていないのがわかります。
軒が機能して日照を遮ることが出来ています。

s16
17時の日差しです。
17時には太陽高度が低いので軒が有ってもその効果がありません。

s18
18時の日差しです。
東側だけでなく北側の窓からも日差しがあります。
「西日」を嫌う意味が良くわかりますね。

「夏涼しく」の要件は
南の窓には軒を付けて日差しを遮る事が有効。
東西の窓には軒を付けても効果がない。
北の窓からも日照があり注意が必要。
2017/03/10

夏涼しく冬暖かい家 その3-断熱ー

こんにちは間取りづくり、家づくりボランティアの間取作造です。

夏涼しく冬暖かい家」をテーマに
その1では、冬の方位別の日照の量
その2では、夏の軒による日差しのコントロールついて書きました。

もう一つ重要なテーマは断熱です。
日照を工夫した暖かい家でも断熱性能が低いと
日照がなくなると同時に冷え込んできます。
そのようなことがない様にするのが断熱です。
夏涼しく冬暖かい家」にの重要な要素です。

断熱性の低い住宅と断熱性の高い住宅のイメージは
下の図のようになります。

onndo.jpg 

これは暖房時の状況ですが
冷房に関しても断熱性が高いほうが効率が良いのは言うまでもありません。


「断熱材、断熱工法でお勧めは何ですか?」
というご質問を受けることがあります。
正しく答えようとすると一つの回答には至らないのが現実です。
様々な材料と様々な工法があってそれぞれに短所長所があるからです。

 
その中で工法を決定する重要なポイントは
「正しく施工される」ことです。
カタログデータが良くても現場で正しく施工されていないと
十分に機能を発揮できません。
施工者とよく話して納得できる工法で進めることが大切です。

そして正しく施工できているかを確認してください。
とても難しそうですが一つの方法があります。
素人が現場をチェックするなんてと思うかも知れませんが
こんな方法なら可能だと思います。

まず採用するメーカーの施工要領書を取り寄せてもらって
監督さんに説明してもらってください。
監督さんも普段使っている工法で理解していると思いますが
お客様に説明するとなるともう一度見直します。
そして施工要領書の写真と現場を見比べて
その通りになっているかどうか
その通りになっていなければその理由を確認してください。

これだけで施工精度を上げることが出来ます。
2017/03/10

夏涼しく冬暖かい家 その4 ー通風ー

こんにちは間取りづくり、間取りのセカンドオピニオンの間取作造です。

夏涼しく冬暖かい家 その4 は通風です。

都市部では窓を開け放して風に吹かれる
という事も少なくなりました。
埃っぽく排気ガスが入ってくる外気では
風が心地よいとは言いにくいです。

それでも少し郊外に出れば春、夏、秋と風が気持ち良い時期があります。
スギ、ヒノキの花粉症のある人は3~5月はあきらめなければなりません。
イネだとかブタクサだとかにもアレルギーが有って
一年中花粉で悩まされている方もいますが、、、

ともあれ風が心地良いことがあります。

一時代前は夏の暑さをしのぐのには日陰と風が頼りです。

通風で重要なことは出口です。
居室には採光や日照のための窓があります。
そこが風の入り口になります。
風の出口はその反対側が理想的です。
そうでなければ直交する面例えば南側に窓が有れば西か東に有れば良いですね。
それも無理な時には高窓で屋根の上に抜ける様に工夫したりします。

170311ナナ邸01外観縮小 

夏涼しく冬暖かい家」の基本事項は誰でも知っていることです。
知っていることを個々のケースで十分発揮できるか
それが設計力だと感じます。

日々精進して良い家づくりのお手伝いをして行きたいと思います。